6ヶ月どころか12ヶ月連続で赤字を垂れ流していた私が、どんな失敗をしでかしたのか?

この記事では、私の体験談を元に治療院経営のポイントについてお伝えしていきたいと思います。

私の失敗があなたにとっての教訓や気づきになり、よりよい治療院経営につながれば幸いです。

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18歳で上京、27歳で整骨院を開業しました

まず私の治療家歴について紹介しますと、今年で治療家としては20年目、開業してからは10年目になります。

私はもともとは三重県の山奥出身で、家庭はど貧乏でもありました。

そんな私が18歳で大阪に出てきて、治療家としてのキャリアをスタートさせます。

当時はお金も人脈もコネもなく、専門学校に通いながら生活費も稼がないといけない立場でした。

「30歳までに開業したい!」っていう気持ちもあり、毎月コツコツと貯金も続けていたので、なんとか削れる時間やお金は削って、切り詰めた生活を送っていました。

その甲斐もあって27歳で開業に漕ぎ着けることができたのですが、ここでお話ししたいのは開業以降の失敗談についてです。

自分に厳しく、他人にも厳しかったのは反省

私は貧乏な家の生まれだったので、もともと「ハングリー精神」を持っていたのは、ある意味良よかったことだと思っています。

一方で、今でも後悔しているのは自分にも他人にもストイックに接してしまったことでした。

当時働いていた同僚とか後輩からしてみると、おそらく私の存在はめちゃくちゃイヤだったと思うんです。

「俺はこれだけやったんだから、これぐらい普通だろう!」と、他人にも厳しかった点については今でも反省しています。

開業直後から、整骨院バブルへ

さて、開業してから5年くらいは、整骨院バブルの真っ只中でした。

お店を開けていればいくらでもお客さんが来る状態だったんですね。

ほぼ宣伝もしなかったのに患者さんも増え続け、多い時で137人、最低でも100人のお客さんが来店してくれる状態でした。

今思うと、時代と運がよかっただけ

整骨院が好調だったため、スタッフも増やしながらどんどん大所帯になっていきます。

それに比例して売り上げも増えていくので、分院や運動施設も設立。

年商で言えば、3年目の時点でも億を越える規模だったんですね。

しかし今考えてみると、これほどの好調さは整骨院自体の魅力とかではなく、時代と運がよかっただけだなと思うんです。

整骨院バブルが弾けるが、計算内だと勘違い

整骨院の規模が大きくなると、自分だけだと限界があるため、少しずつスタッフに仕事を任せていくことになります。

そうなれば「多少は売り上げが落ちるだろう、でも利益は上げられるだろう」という思いを持っていました。

なので実際に売り上げが下がってきたときも、計算の範囲内だと思っていたんですね。

しかしこれと同時期に、整骨院バブルがはじけるという出来事が起こります。

さすがにやばいと行動してみるも、売り上げは3分の1に

これはさすがにやばいなと思って、また自分も現場に戻ってお客さんの治療に携わるようになりました。

しかし、お客さんは増えず、元のようには戻りません。

それどころかどんどん衰退していって、一時期に比べてお客さんの数は3分の1に減少。

売り上げも3分の1に下がってしまいましたが、一方でスタッフはたくさん雇っていたため、人件費で大きな赤字になってしまったんですね。

フランチャイズ展開が失敗

そんな状況でも、開業当初の貯蓄があったため、しばらくはなんとかやっていくことができていました。

そんな中で、運動施設をフランチャイズ展開していこうという構想を考えていた時期がありました。

実際にフランチャイズ先も決まり、契約も内装も設備も入れた。

あとはスタートするだけという段階になって、ドタキャンに遭ってしまったんです。

倒産を本気で考えるように

その年の決算を見て、私は初めて「このままじゃ潰れる!」という危機感を持ちました。

それまでは自分の整骨院が潰れるなんて予想もしていなかったんですが、最近になって改めて調べてみたら、12ヶ月連続で赤字だったことがわかったんです。

これでは倒産の危機に陥るのも当然で、「このままじゃやばい!」という危機感も強くなりました。

その結果、保険だけではなく「自費メニューも導入しなければ!」と考えるようになったんですね。

自費でお金を受け取ることへのブロック

実は整骨院での保険診療では、窓口では500円足らずのお金しか払わないのが普通です。

それでも私たちのもとにはお金が入ってくるわけですが、そんな私が自費メニューを始めたところで、ハードルが非常に高く思えたんですね。

なぜなら、窓口で支払うお金が数千円、数万円に跳ね上がるわけですから。

安い価格設定で、さらに売れない悪循環へ

その結果、自費メニューも弱気な価格設定にしてしまい、安い=質が低いと思われて余計に売れなくなってしまいます。

そのころは保険と自費をしっかり分けないといけないと思っていたので、保険はスタッフに任せ、自費をすべて私が担当することにしていました。

しかし自費は予約で受け付けているので、保険診療と比べて暇な時間が多くなります。

『現状を正当化してはいけない』

暇な時間に私が何をしていたかというと、患者さんから見えないバックヤードで、スマホでゲームをしたり、YouTubeを見たりしていたんです。

これは今思えば、ただの「現実逃避」でしかありません。

あなたも現状に対して「これは仕方ない」と思って、正当化してしまうという心当たりはないでしょうか?

たとえば今なら、コロナショックの影響が挙げられます。

もちろんコロナのせいでお客さんは減ってしまうでしょうし、どうしようもない部分はあります。

でも、そこで仕方ないと思っていてはダメで、必ずどこかに改善の余地はあるはずなんです。

治療の技術だけ高めればいいわけじゃない

それから、当時の私は「技術をしっかり磨けば、絶対に患者さんはついてくる!」「患者さんが患者さんを呼び、人気になる!」と思い込んでしました。

「今売り上げが伸びないのは、患者さんを満足させる技量がないからだ!」と。

確かにそれも間違いではありませんし、心意気は立派だとは思います。

でも、先ほどの『現実の正当化』をやってしまうと、この意味合いが変わってきてしまいます。

治療だけではなく、集客も不可欠

技術を磨くことを理由に、整骨院を経営してたくさんの人を喜ばせていけないという使命から、目を背けてないか?

つまり、技術を磨くだけではなく、集客することも大切であるということです。

技術を磨くことがお客さんのためになると信じ込んで、よりたくさんの患者さんに技術を提供する努力をやめてしまってはダメなんですね。

人から認められない技術に、価値はない

当時の私は、ひたすら自分に言い聞かせるように治療の勉強をしていました。

でも、そんなことには1ミリも価値がないんですよね。

なぜなら、人から認めてもらえない技術に価値はないから。

自己満足ではなく、人から認められること。

これが大事だと気づけるまでに、ひたすらミスを重ねてきたなと、今になっては思えるんです。

おわりに

というわけで今回は、私の失敗談をもとに治療院経営のポイントについてお伝えしてきました。

後半パートでも引き続き、よりよい治療院経営のために大切なことを紹介していきますね。