なぜ私たちは先延ばししてしまうのか?
あなたは「先延ばし」に悩んだ経験がありますか?
やろうやろうと思っていたのに、毎日の仕事とかプライベートが優先されるばかりに、いつまでも後回しになっているタスクって誰にでもありますよね。
もしかしたら「いつまでも先延ばししてしまうなんて、どれだけダメ人間なんだろうか…」と、自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。
しかし実は、そうした自己嫌悪の感情こそ、私たちの行動力を奪って先延ばしをする原因になっているのです。
成功を遠ざける「完璧主義」
治療院経営を続けていくにあたって、絶対にやってはいけないのが「完璧主義」に陥ってしまうことです。
もちろん目の前の患者さんに全力で治療を行うことは必要なのですが、たとえば院内のインテリアも、スタッフの質も、最新の設備も…と、どんなことにもこだわり続けていたらキリがありませんよね。
また、一般的な傾向として完璧主義な人はなかなか行動できずにいるという性質も持っています。
どんなことにも100%の結果を求めようとすれば、新しく行動を始めることを躊躇してしまうのは当然かもしれません。
いざ行動して80%の結果しか手に入らなかったら、自分のプライドや自尊心を傷つけることになるからです。
自己嫌悪が先延ばしを生み出す原因
完璧主義の最大のデメリットは、自己嫌悪という感情を生みやすい点にあります。
いい言い方をすれば完璧主義な人は、理想とする基準が周りよりもずっと高い人と呼べるでしょう。
普通の人たちが60%や80%で満足するところを、100%に達しなければ満足できない…というタイプです。
そういう考え方がビジネスで有利になることもあるのかもしれませんが、それ以上に大きなデメリットがあります。
それは、いつまでも100%に到達できない自分を責めて、自分のことを嫌ってしまうという点です。
自己嫌悪に陥れば、自己肯定感や自信が失われて「自分は能力のない人間だ」という思い込みを強めてしまいます。
その結果、さらに行動するのが怖くなり、先延ばしの連鎖が始めるというわけです。
弱い自分を認めて、受け入れることが大切
この先延ばしの連鎖を食い止めるためには、まずは先延ばししてしまっている自分を素直に受け止めることが大切です。
「今、自分は先延ばししてしまった」という事実をまっすぐ見据えて、そのまま言い訳せずに受け入れる。
そのうえで、どうしたら先延ばしを防止できるか考えていくことが、先延ばしをせずに行動できる経営者になるために不可欠なんですね。
自分を受け入れることで、成長につながる
でも、多くの人は自分が先延ばししてしまう人間であることを認めようとしないし、素直に受け入れることもできなかったりします。
自尊心が高くてプライドが高い人ほど、自分の欠点には敏感になってしまうものです。
ただ、いつまでも自分の弱点を認められなければ、先生としての成長はありません。
必要以上に落ち込む必要はないので、まずは自分の現状を素直に受け入れてみましょう。
先延ばしした事実は、変えることができない
私たちが経験した出来事や事実は、後からどうやって変えることができませんよね。
過去にどんな失敗をしたとしても、今から昔に戻って過去をやり直すことは不可能ですし、先延ばししたという事実は変更することができません。
でも、事実に対する解釈であればいくらでも変えていくことができます。
たとえば、「前月と比べて売り上げが3割落ちてしまった」という事実は変えることができませんが、「来月は2倍に増やせるようにがんばろう!」と考えるか、「もうダメかもしれない。お店をたたむことも検討しよう」と考えるかは、私たちの自由です。
先延ばしという事実に対しても同じことが言えます。
「なんてダメな人間なんだ」と考えるか、「先延ばしを防止するための方法を調べよう」と考えるかは、私たちの手の中にあります。
当然、どっちが先延ばし癖から卒業できるかは明らかですよね?
具体的に先延ばしを防ぐためのテクニック
先延ばしが起こる原因と対策が理解できたところで、次は具体的に先延ばしを防ぐためのテクニックについて取り上げていきましょう。
ポイントとなるのは以下の3つ。
- ①小さなタスクに分割する
- ②まず5分だけ取り組んでみる
- ③自分の気持ちを書き出す
それぞれ解説していきますね。
①小さなタスクに分割する
たとえば1時間かければ終わるタスクAと、たった5分で終わるタスクBだったら、あなたがすぐに取り組めるのはどっちでしょうか?
きっと、タスクBのはずです。なぜなら、タスクAよりも短時間で終わるため、ハードルが低くて取り掛かりやすいからです。
私たちはどうしてもめんどくさくて時間がかかるタスクを先延ばししてしまうものです。
だったら、シンプルな対策としてタスクを小さく分割していけばいいのです。
たとえば、1時間で終わるタスクAは、全部で6個に分割してA1、A2、A3、A4、A5、A6のタスクにわけてしまいます。
すると、A1のタスクは10分で終わる簡単なタスクに変化するため、先延ばしせずに取り組みやすくなるというわけです。
②まず5分だけ取り組んでみる
人間の脳には作業興奮というメカニズムがあります。
これは、私たちのモチベーションは作業する前に高まるのではなく、作業を始めるからこそ高まるのだという仕組みのことです。
ずっと勉強を先延ばししていたけど、実際に手を動かしてみたら勉強がスラスラと進むようになった…という経験は誰にでもあるはず。
具体的な数字があるほうがモチベーションを保ちやすいので、キッチンタイマーやスマホのタイマーを使って、まずは5分にセットして作業してみるのがおすすめです。
③自分の気持ちを書き出す
先延ばしの原因は、自己嫌悪によって自己肯定感や自信を失ってしまい、「自分は能力がない人間だ」思い込んでしまうことにあるとお伝えしました。
こうしたネガティブな感情を取り除くためには、感情を紙に書き出してみるというテクニックが有効です。
自分の頭の中でモヤモヤしている感情を、自分の言葉を使ってアウトプットしてみると、意外なほど心がスッキリするのがわかると思います。
自分の感情を客観的に見つめることもできるので、「なんだ、こんなことで悩んでいたんだ」と吹っ切れるきっかけにもなるでしょう。
「if-thenプランニング」で今すぐ行動できる先生に
先延ばしを防ぐための心理学的なアプローチも紹介しておきましょう。
それは「if-thenプランニング」というテクニックです。
文字通り「もしXだったら、Yをする」というルールを決めるのがポイントで、たとえば「月曜日の朝はInstagramを更新する」のように決めてしまいましょう。
「これだけでいいの?」と思われるかもしれませんが、これは心理学の世界でも非常に効果が高いとされている習慣化テクニックの1つ。
先延ばしを防止して、以前からやりたいと思っていたことを行動に移すためには、一番効果的な手法なのです。
条件付けにより、まるで機械のように行動する
if-thenプランニングを使う際には、難しいことを一切考えずにルールを実行することが大切です。
月曜の朝になって「今日は何をしようかな?」と迷う時間を作るのではなく、すぐにInstagramの更新作業を始めるということです。
このテクニックを使うことにより、あなたの先延ばし癖は大きく改善することでしょう。
おわりに
今回は、常に行動し続けられる先生になるための先延ばし防止テクニックについて解説してきました。
もしあなたが先延ばし癖に悩んでいるなら、ここで紹介した手法を実践してみてください。